脚本は、基本的にドラマの制作と同時進行で書きますが、オンエアの1カ月前には仕上げておくというのが私のリズムになっています。
昔のドラマは全部撮影してから放映していましたが、今は下手したら1週間前に撮影したものが、すぐにオンエアされるというライブな感じで進行していきます。脚本家にとっては相当スリリングな状況です。脚本を書き上げられなかったら、テレビに何も流れないということになるのですから。たまにこれが書けなかったらどうなるんだろうな?ってフッと不安がよぎることも……。
でも、いつもなんとか書き上げられるので、「今回もきっと書ける」と自分を励ましつつ仕事を続けています。むしろ、絶対に書けるに決まっていると自分をどこかで信じていますね。そう思わないと、ビビリまくっちゃって、こんな仕事やっていられないかも(笑)。途中でオンエアされなくなったドラマなんて、今までに聞いたことありませんから……。でも実は、作家さんによっては本当に書けなくて、11話あるはずだったのが、10話になったりすることがあるみたいです。
脚本を書く場合に、製作者によく聞かれるのは、まず主人公の人物設定のために、どの辺の街に住んでいることにするかということ。街として青山の話なのかとか……。
「ビューティフルライフ」で言えば、杏子の住んでいる場所は新小岩でした。私は実際には新小岩に行ったことがないのですが、言葉の響きで選びました……。ちょっと下町みたいなイメージがありますよね。私にとっては、なぜか杏子の住む場所は新小岩じゃないとだめだったんです。でもロケの時はギャラリーが群がっちゃって、チャキチャキなヤジが飛んで、大変だったみたいですけどね。
それ以外の細かい設定はこちらからはあまりしません。注文するのは、住んでいる場所だけですね。あとは私が書いた脚本を読んで、スタッフみんながイメージを沸かせて作り上げていったほうが、きっと楽しくなると思っています。あまりビジュアルのイメージは浮かばないんですよ。それでも、杏子の家は、いかにも下町にあるベタな酒屋さんというイメージがあったので、こたつにみかんがある家にしてほしいというのは言いました。